「救急搬送」の遅れが命を奪う――事故率0.01%も「到着遅れ」が示す制度的課題、愛知県男性死亡から考える
愛知県春日井市での救急車とトラック接触事故は、搬送遅延により77歳男性が死亡する事態に発展した。2024年度には救急搬送の63%が高齢者で、出動は約4.1秒に1回のペースに達しており、官民連携によるAI・交通インフラ活用の再発防止策が急務である。
救急車事故の悲劇

2025年9月8日午前11時20分頃、愛知県春日井市の県道で救急車とトラックが接触する事故が発生した。搬送されていた77歳男性は、別の救急車に乗せ換えられ搬送先病院に向かったが、到着は想定より約20分遅れた。搬送中、男性は心肺停止状態に陥り、病院到着後、急性心筋梗塞で死亡したことが確認された。
消防は、接触事故と搬送者の死亡との因果関係について調査を進めている。当時の状況では、片側1車線の道路で救急車がトラックを追い越そうとしたタイミングで、トラックも前方に停車していた乗用車を追い越そうとしており、これが接触事故につながったと見られている。