阪神・淡路大震災から30年…「神戸元町」が再開発で取り残された根本理由
神戸市が中央区の元町駅周辺再整備に向け、近くワーキンググループを発足させる。兵庫県が県庁建て替えに合わせて整備する計画だったのに、なぜ独自に動きだしたのか。
元町再開発の政治迷走

神戸市が長く手を出さなかったのは、兵庫県が井戸敏三前知事時代(2001~2021年)に耐震性不足が明らかになった県庁建て替えに合わせ、元町地区再開発に乗り出すことにしていたからだ。元町駅と兵庫県庁間の直線距離は約400m。兵庫県庁は元町のシンボルでもあった。
阪神・淡路大震災の復興以来、市役所がある三宮は神戸市、県庁がある元町は兵庫県が主導して事業に当たることがあった。神戸市OBは
「取り決めがあったわけではないが、元町は兵庫県の縄張りのようなイメージを持っていた」
と証言する。
ところが、2021年に就任した斎藤元彦兵庫県知事は県庁建て替えの事業費が庁舎と県民会館を併せて約700億円になることを問題視して建て替えを凍結した。
その後、兵庫県幹部の内部告発をきっかけに斎藤知事と兵庫県議会が対立、百条委員会設置や不信任決議案可決、出直し選挙と続く政治混乱のなかで元町再開発の行方はわからなくなった。