中国自動車産業「再編の波」 NEV比率50%目前、乱立市場が沈む「消耗戦」の行方

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中国自動車市場は23年販売3009万台で世界一を更新しつつ、過当競争で利益率は4.3%まで低下。再編と淘汰の波が、国際競争のルールを揺さぶり始めている。

過熱する内部競争構造

上海汽車のEV(画像:上海汽車)
上海汽車のEV(画像:上海汽車)

 中国は、すでに世界最大の自動車市場となった。しかし、メーカー間の競争は過酷さを増している。いわゆる「内巻(ネイジュアン)」の状態である。

 内巻とは、中国のインターネットスラングで、外部に向けた発展ではなく、内部での過度な競争や努力が続き、結果的に

「関係者全員が消耗する状況」

を指す。新たな価値を創出できず、内部競争だけが激化する中国特有の社会問題を反映した言葉である。背景には、職場や学校で非合理的な競争が繰り返され、誰もが勝者になれない状況がある。

 自動車業界も例外ではない。電動化を中心に過剰な内部競争が進み、

・設備稼働率
・利益率

の低下が顕在化している。政府や業界団体は、競争秩序の確保と品質維持のため、統廃合や規範化を推進している。今後の再編が、中国自動車産業の国際競争力や市場構造にどのような影響を及ぼすかが注目される。

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