バスの「長さ」はどうやって決まるのか？──輸送力と規制のバランスを考える

運転手不足を救う長尺バスの挑戦

　現在、日本で走る連節バスは、通常の路線バスの1.5倍以上の収容力を持つ。運転手不足のなかで効率的に運行するための救世主となっている。連節バスを運転できるのは経験豊富なドライバーに限られるが、

「年収700万円以上」

の限られた人材をより有効に活用するシナリオも生まれている。

　バスの長尺規制は存在するが、輸送効率向上のために基準緩和や特殊車両通行許可の申請緩和を検討する余地がある。短尺バスの運行継続による燃費悪化や人件費増加リスクとの比較研究も業界の重要課題である。

　また、車両規制のために必要なバス停やバスターミナルなど都市インフラの改修コスト負担についての議論も今後の課題だ。

　規制緩和に向けては様々な可能性が指摘されている。そのひとつが、新たな視点や技術による課題克服策だ。

・自動操縦支援
・車両連結技術
・車体軽量化

などの最新技術を活用して規制緩和を進められないかという議論がある。

　ただし、これらの技術はいずれも開発途上である。人工知能の活用をどう組み込むかといった新たな議論も生まれている。

　一方で、長尺車を安全に誘導するインフラ整備も求められている。長尺車の自動運転化は新たな研究テーマとして派生している。

　これらの課題を乗り越える研究が進み、長尺車が安定して走行できる環境整備に期待が寄せられている。