日産はなぜ「メイド・イン・チャイナ」に賭けるのか? EV「N7」の可能性と「グローバル拠点化」へ挑む28年間、大勝負の行方どうなる
中国での生産から輸出までを集約した新体制で、年10万台の海外展開を視野に入れる。カギを握るのは、N7の高性能と価格競争力、そして「中国製」への制度・心理的壁の突破。脱・日本製の覚悟が問われる局面だ。
ブランド軸の再構築
この不安定な状況をさらに強めているのが、他の日本の自動車メーカーの動きである。トヨタやホンダが、中国からの輸出に慎重な姿勢を保ち続けているのは、単なる様子見ではない。これは、リスクを一部の地域に集中させないための対応策と見るべきである。情報発信を控えているのも、短期的な利益を追うのではなく、中長期的にサプライチェーンを再構築するリスクを重視しているからだろう。
一方で、日産は特定の地域に依存する体制を選び、外部の変化に影響されやすい構造をとっている。そのため、予測できない外的要因によって弱点が表に出やすい状況にある。
日産の経営再建計画「Re\:Nissan」が示す施策の多くは、費用を減らし、経営資源を一部に集中させることに力を入れている。しかしこの方針は、日本国内ではもう開発のスピードや価格での競争力を維持できないという判断を反映している。つまり、日産は中国を中心に製品を展開することに解決策を見いだしたということだ。中国に資源と戦略を集中させる姿勢は、日本の工場が持っていた柔軟性や競争力を失ったことの証でもある。
このように、日産が進める輸出モデルの転換は、コストを下げたり販売を増やしたりするだけで評価できるものではない。そこでは、生産と物流の仕組みの見直し、ブランドがもつ意味の変化、そして制度の違いによって変化する技術の取り扱い方など、いくつもの重要な変化が同時に起きている。
日産の動きは、どこで勝てるかを重視する新しい競争のかたちを目指している。その戦略が成功するかどうかは、「中国製」という条件のなかに、選ばれる理由をしっかりと組み込めるかどうかにかかっている。