日産はなぜ「メイド・イン・チャイナ」に賭けるのか? EV「N7」の可能性と「グローバル拠点化」へ挑む28年間、大勝負の行方どうなる
中国での生産から輸出までを集約した新体制で、年10万台の海外展開を視野に入れる。カギを握るのは、N7の高性能と価格競争力、そして「中国製」への制度・心理的壁の突破。脱・日本製の覚悟が問われる局面だ。
「日本品質」崩れる国産ブランド

日産が中国で作った車を海外に輸出するには、いくつもの複雑な課題がある。なかでも大きな壁となっているのが、「中国製」ということに対する制度的、また心理的な偏見である。車の性能や安全性とは関係のない部分で、中国製というだけで不安を感じる人が多い。
特に、車に使われているソフトウェアについて詳しく調べられる場面や、情報をどのように守っているかが問われる場面では、どんな制度のもとで作られたかが重視されるようになっている。
こうした事情により、EVが世界共通の商品として通用しにくくなってきている。米中の対立を背景に、輸出や輸入に関する規制が強まり、関税も政治的に扱われるようになっている。そのため、中国製のEVを売ることが難しくなってきている。影響は、輸送費や通関の手間が増えるだけにとどまらない。車を作る段階から、国ごとに違う仕様にしなければならない状況も生まれている。
さらに、日産が中国製のEVを世界に向けて売ろうとする戦略自体が、消費者にとって分かりにくいメッセージになる可能性がある。開発から製造、輸出までをすべて中国で行うという方針は、これまで築いてきた「日本品質」のイメージとぶつかってしまうかもしれない。消費者は、
・日産というブランド
・中国で作られた製品
というふたつの意味を改めて考え直すことになる。その意味づけに失敗すれば、製品は選ばれなくなる。