老朽化進む「中央道」 10年で半数が50年選手! 渋滞と工事の深刻化を読み解く

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中央自動車道は開通45年以上が経過し、交通量増加で老朽化が進行。NEXCO中日本は約1.5兆円規模のリニューアル工事を実施し、渋滞緩和も図っている。利用者減少が見込まれる一方、物流貨物の大型車増加で路面負担は増加。安全維持と利用者負担の両立が課題となっている。

利用者視点の工事戦略

不満を持つ利用者のイメージ画像:写真AC)
不満を持つ利用者のイメージ画像:写真AC)

 集中工事やリニューアル工事に対して、実際の利用者が感じている負担や不満には以下のようなものがある。

・工事規制の範囲が必要以上に長い
・工事をしていない区間でも車線が規制されている
・同じ区間で何度も工事が行われている
・同時期に多数の区間で工事が実施されている
・渋滞が長く、所要時間が大幅にかかる

前2項の背景には、安全確保という事情がある。近年では工事従事者の安全対策が強化されており、実際の作業場所に加えて、余裕をもった規制区間の設定が求められている。加えて、工事前の準備や資機材の移動なども必要となるため、作業時間以上に長い規制が敷かれるケースも多い。

 後3項に関しては、国土交通省やNEXCOが「利用者視点の工事マネジメント」の考え方を導入している。その一例が集中工事である。個別に何度も規制するのではなく、短期間で集中的に作業を行うことで、年間の工事回数と渋滞の発生頻度を抑える狙いがある。

 実際に東名高速では1988(昭和63)年度から集中工事が導入され、工事回数は以下のように削減された。

・実施前:約4300回/年
・実施後:約2670回/年

結果として、工事による交通規制は約4割減少し、渋滞時間の大幅な短縮にもつながった。

 また、ピーク時の混雑を避ける工夫もなされている。複数区間の工事時期が重ならないよう調整し、ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった多客期を避ける配慮も行われている。

 渋滞の問題は依然として深刻だが、国土交通省やNEXCOは、早期の工事情報提供によって、迂回ルートや通行時間の分散利用を促す取り組みを進めている。

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