老朽化進む「中央道」 10年で半数が50年選手! 渋滞と工事の深刻化を読み解く

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中央自動車道は開通45年以上が経過し、交通量増加で老朽化が進行。NEXCO中日本は約1.5兆円規模のリニューアル工事を実施し、渋滞緩和も図っている。利用者減少が見込まれる一方、物流貨物の大型車増加で路面負担は増加。安全維持と利用者負担の両立が課題となっている。

1兆円超リニューアル予算

中央道調布IC~八王子ICは、すでに開通からまもなく58年を迎える(画像:都野塚也)
中央道調布IC~八王子ICは、すでに開通からまもなく58年を迎える(画像:都野塚也)

 高速道路の歴史は意外と古い。1963(昭和38)年7月、名神高速道路の栗東IC~尼崎ICが最初に開通した。それ以降、主要幹線に加え、並走路線や地方間を結ぶローカル路線も整備されてきた。

 こうした経緯により、多くの路線で老朽化が進んでいる。NEXCO中日本の管轄では、開通から50年以上経過した路線の割合は年々増加している。

・2024年:約30%
・2034年:約50%

10年後には、半数近い路線が50年超の「老インフラ」となる見込みだ。さらに、交通量の増加や大型車の積載量増により、老朽化は一層進行している。

 一方で、この半世紀で日本の建設技術や工事機材は大きく進歩した。従来は部分的な補修にとどまっていたが、近年は根本的な修繕で、当初の性能を回復、もしくはそれ以上を実現するリニューアル工事が本格化している。

 NEXCO中日本では、2015年3月に初のリニューアル工事プロジェクトを事業化し、総額約1兆5675億円の予算を計上。2024年3月には、新たに約4788億円を追加した更新計画も事業化された。

 なお、高速道路の新設には1kmあたり約50億円が必要とされる。中央道(全長約368km)を全面的に新設すれば、少なくとも約1兆8400億円が必要になる計算だ。中央道は山岳区間が多く、トンネルも多いため、実際の建設費はさらに膨らむ可能性が高い。

 つまり、中央道全線を新設する費用で、NEXCO中日本全体の大規模更新が実施できることになる。今後も高速道路は日本の物流と経済を支える重要インフラであり、リニューアル工事はその持続性を確保するうえで不可欠な取り組みである。

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