『ドラえもん』に登場した「空き地」はなぜ消えたのか?──昭和時代まで日常だった“余白のある”風景の終焉とは
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ドラえもんの「土管のある空き地」はなぜ消えたのか? 1970年代まで日常だった風景が、なぜ現代都市から姿を消したのか。地価の4倍超高騰、471の自治体が定める「空き地条例」の背景に迫る。
空き地収益化を促すREITの波

制度に組み込まれた空き地は、金融の論理によっても大きく変質した。
2000年代以降、日本でも不動産の金融商品化が急速に進展した。代表例は
・REIT(不動産投資信託)
・私募ファンド
である。
REITは、投資家から集めた資金を基に多数の不動産を一括購入・運用する金融商品だ。投資家はREITの持分を証券として売買でき、不動産の賃料収入や売却益が分配される仕組みである。私募ファンドは、限られた投資家から資金を集め、特定の不動産や事業に投資・運用する非公開の投資ファンドだ。運用内容は柔軟で、高リターンを狙う一方、リスクも高い。
これらの仕組みによって、活用が難しい小さな土地や道路沿いの狭い空き地、古いアパートなども収益源として見直された。
例えば、数十平方メートルの土地でもコインパーキングやトランクルームに転用すれば、月数万円の収益を上げられる。古い木造住宅も簡易改装し、シェアハウスや民泊施設として運用すれば、立派な収益物件となる。こうした小規模物件はファンドによってまとめて購入され、
「年間○%の利回りが見込める資産」
として投資対象となる。都市空間は居住や利用の場から、投資家の利益装置へと変貌し、あらゆる隙間が収益源として扱われるようになった。