駅前「シャッター商店街」が放置されている根本理由──解体も継承も進まない複雑な経済構造とは

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駅前のにぎわいと裏腹に、地方商店街は空き店舗が目立つ。住居兼店舗の構造的制約や老朽化、所有者の合理的判断が流通を妨げ、再生を遠ざけている現実に迫る。

夜間飲食街への急速転換

 地方商店街では、店舗を自ら営む人はすでに少数派だ。多くはかつての商店主が物件を所有し、賃料収入で生活している。実質的には不動産業の形態である。ただし、このモデルが成立するのは駅周辺など立地条件の良い都市部に限られる。

 地方の多くの商店街では、借り手がつかず収益を上げられないため、賃貸による生活設計は成り立たなくなっている。住宅への転用も検討されるが、商業地であることからスーパーや学校などの生活利便施設が近隣に乏しい。また、隣地との接道や防火規制の制約で建て替えや用途変更が困難な場合も多い。

 こうした状況下で地方のシャッター街に見られるのが、飲食街への転用である。日中は人通りが減っても、夕方以降は一定の集客が期待できるため、飲食業への出店意欲は存在する。その結果、商店街と称しながらも、実態は夜間営業の飲食店が並ぶ場所も少なくない。

 例えば、JR岐阜駅前の繊維問屋街は、かつて繊維関連卸売業が集積していた。しかし産業衰退とともに空き店舗が増え、現在は居酒屋など飲食店が目立つようになった。JR岡山駅前の商店街も、一般商店はほぼ消滅し、夕方以降の飲食店が中心に変わっている。

 こうした転換は収益面で一定の効果を持つが、地域によっては治安や景観との調和が課題となる。結果として「にぎわいの再生」とは異なる形態での転用に留まっているのが実情である。

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