駅前「シャッター商店街」が放置されている根本理由──解体も継承も進まない複雑な経済構造とは
減少する商圏人口の壁

商店街活性化策として、国や自治体は多様な支援を展開している。自治体による補助金のほか、経済産業省や中小企業庁は専門家派遣や事業計画策定支援など、面的支援も実施している。個店単位ではIT導入補助金や販路開拓支援などの施策が用意されている。空き店舗の改装費補助や家賃の一部負担、新規出店の開業支援など、支援メニューは多岐にわたる。これらの支援により、一時的に店舗数が回復したり、街の表情が変わったりする例もある。
しかし、支援策には限界がある。すでにシャッター街化している地域では、店舗所有者の高齢化が進み、自ら商売を再開する意欲や体力が乏しい場合が多い。
「改装すれば店が開く」
という前提は実態と乖離している。意欲ある新規出店者が現れても、継続は容易ではない。
地方では自治体が店舗兼住宅を含む空き物件情報を整備し、UターンやIターンの移住者を呼び込む取り組みが増えている。開業費用に対する補助金や移住支援が組み合わされるケースも多い。こうした施策で開業が実現すれば、地元メディアに取り上げられ、一時的な賑わいが生まれることもある。
問題はその後だ。開業初期は物珍しさから客が集まっても、肝心の商圏人口は減少傾向にあり、持続的な収益確保は困難である。そもそもシャッター街化したのは、その地域で商売が成り立たなくなった結果だ。補助金で店は開けても、顧客が戻るわけではない。
筆者(昼間たかし、ルポライター)の取材経験では、こうした商店街で比較的持続しているのは
・カフェ
・パン店
などの飲食店に限られる。一般的な小売店が根付く例は極めて少ない。新規店舗が賑わっても、周囲はシャッターを閉じた店ばかりという光景も珍しくない。
つまり、新規事業者の参入だけでは、来街者数や購買力といった需要側の根本的な変化がなければ、商圏全体の再生は難しい。補助金は空間を一時的に埋める手段に過ぎず、構造的な変化を生み出すには至らないリスクを常に抱えている。