自動車減少で見直される「道路の役割」 再整備で子育て世代にとって魅力的になる?
自動車減少で、まちの再整備に注目が集まっている。実は子育て世代にとっても魅力的な機会になるという。
「道路 = 車が走る場所」はもう古い?

国や自治体で現在、
「道路 = 車が走る場所」
といった旧来の考えを見直す動きが出ている。
国土交通省は2020年6月に「2040年、道路の景色が変わる」を発表し、ポストコロナを見据えた今後20年間の中長期的ビジョンを示した。
さらに、2022年3月には「多様なニーズに応える道路 ガイドライン」を発表。多様なニーズに応える理由として、
・少子高齢化
・シェアリングの浸透
・電動キックボードやドローンのような新しいモビリティの登場
といった点をあげている。
新しいモビリティが人々に浸透すれば、前述の「道路 = 車が走る場所」、すなわち車が通ることを念頭に道路を整備する――では、遅かれ早かれ問題が生じるだろう。
国土交通省の第73回基本政策部会で配布された資料によると、日本の総人口は2040年には13%減少し、高齢人口は10%増加すると予想されている。労働人口も2018年の6830万人から5846万人にまで減少し、それにともない通勤用の自動車もおのずと減るとされている。
日本では1954(昭和29)年の「第1次道路整備五箇年計画」以降、高速道路を始めとした近代的な道路整備が進められてきた。しかし、もはや20年~30年先を見据えた道路整備が求められている。