自動車減少で見直される「道路の役割」 再整備で子育て世代にとって魅力的になる?

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自動車減少で、まちの再整備に注目が集まっている。実は子育て世代にとっても魅力的な機会になるという。

道路とまちづくりは密接な関係

道路を走る子ども(画像:写真AC)
道路を走る子ども(画像:写真AC)

 前述の「多様なニーズに応える道路 ガイドライン」では、

・安全・安心に利用できる道路通行機能のニーズ
・安全・安心な空間を活用した賑わい空間創出へのニーズ
・道路を訪れるすべての人々が楽しめる空間創出へのニーズ
・多様なモビリティや物流へのニーズ

の四つのニーズを提言している。

 これらを踏まえて今後、各自治体は街のニーズや特性に沿った形で整備計画を立てることが求められる。これまでも「道の駅」のように地方創生や地域活性化で成功した例はあったが、これからは道路の再整備がより直接的に、まちづくりへ関わってくることになる。

 1世帯当たりの自家用乗用車の台数が最も少ない東京都では、2020年10月から「パーク・ストリート東京」と題した、道路空間を活用し、人が歩いて楽しむまちを創出する取り組みを実施してきた。実施されたのは千代田区や港区、中央区を含めた10区と立川市、多摩市、町田市などだ。

 また、1世帯当たりの自家用乗用車の台数は全国42位の埼玉県のさいたま市では少子高齢化やコロナ禍による在宅ワークの浸透を踏まえて、道路計画の見直しを行った。

 新たな時代に向けたまちづくりとして、ターミナル駅周辺での商業施設や公園と一体化している道路、歩道路が広く自動運転車が行き交う道路づくりを目指している。歩行者にイベントが優しく開催され、広場も設置されている街並みは自動車事故に巻き込まれる危険性も軽減され、子育て世代には魅力的に映る。

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