政令市でもないのに移住増 つくば市・藤沢市・流山市に共通する「交通網」の絶対条件とは
総務省が発表した2021年住民基本台帳人口移動報告によると、東京23区が初の転出超過を記録。一方で都市部以外への移住傾向が高まっているのが見て取れる。転入が増えた街々の共通点を探る。
東京23区は初の転出超過に
コロナ禍がきっかけの東京脱出。以前からニュースで取り上げられてきた傾向が、2022年1月28日(金)に総務省が発表した2021年住民基本台帳人口移動報告で、またも明らかになった。
内容は総務省のウェブサイトで閲覧可能なので、興味がある人はご覧いただければと思うが、東京23区では集計を開始した2014年以降、初めて転出超過となった。
ではどこに移り住んだのか。この報告では転入超過数の多い市町村も挙げてある。トップはさいたま市で、以下6位までは政令市かつ道府県庁所在地である市が並んでいるが、それ以降は茨城県つくば市、神奈川県藤沢市、千葉県流山市、神奈川県相模原市となっている。
14歳以下、15~64歳、65歳以上という年齢別の順位も示してある。
15~64歳では8位まで都道府県庁所在地が並ぶのに対し、14歳以下はつくば市が2位で、東京都町田市や千葉県柏市・印西市がベスト10入り。65歳以上では神奈川県相模原市、東京都八王子市や青梅市、群馬県高崎市が10位以内に名を連ねている。
現役世代は大都市志向が強いのに対し、高齢者は自然が豊かな場所を好み、子育て世帯は広い家が持てる郊外という傾向がわかるが、いずれも23区に隣接していないこれらの都市がなぜ転出増なのか。
あらためて地図で見て行くと、すべて鉄道で東京都心に直結しているという共通点が見えてきた。