物流クライシス、やはり「規制緩和」は失敗だった? 倒産328件…疲弊するトラック業界、賃上げもできず! 崩壊寸前のインフラ
過当競争のツケが現場を蝕む。トラック業界の有効求人倍率は全職種の2倍超、年収は最大60万円低く、倒産件数は年間328件と過去2番目の水準に達した。背景には、小泉政権時代の規制緩和が生んだ収益構造の崩壊がある。
現場の声なき改革進まぬ構造

さらに注目すべきは、国土交通省が設置した「トラック・物流Gメン」への情報提供がほとんど行われていないことだ。調査では、「情報提供をしたことがある」と答えた事業者はわずか13.1%にすぎない。一方、「今後もしない」と回答した事業者は38.5%にのぼった。制度に対する期待の低さが鮮明になっている。
「情報提供しない理由」で最も多かったのは「特に困っていない」(58.6%)という回答だったが、そこには
「いっても無駄」
という諦めの空気すら漂う。結局のところ、公取委や国交省が是正の旗を掲げたとしても、現場からの声が上がらなければ実効性は乏しい。構造的な不公正は温存されたままである。
一連の規制緩和は、競争による効率化を掲げて始まった。だが、現実に起きたのは、零細事業者の過剰な参入と、運賃の崩壊、安全と労働環境の軽視だった。走っても儲からない構造が現場を疲弊させ、長時間労働と低賃金が人手不足をさらに深刻化させている。
結局、規制緩和は物流インフラを崩壊させただけだった。今、求められているのは、それが誤りだったと認め、根本からやり直すことにほかならない。