物流クライシス、やはり「規制緩和」は失敗だった? 倒産328件…疲弊するトラック業界、賃上げもできず! 崩壊寸前のインフラ
過当競争のツケが現場を蝕む。トラック業界の有効求人倍率は全職種の2倍超、年収は最大60万円低く、倒産件数は年間328件と過去2番目の水準に達した。背景には、小泉政権時代の規制緩和が生んだ収益構造の崩壊がある。
賃上げ1~3%で限界の業界

なぜ、これほど深刻な状況が長年にわたって放置されてきたのか。その理由は明白だ。規制緩和によって、トラック業界は構造的に人手不足すら解決できない業界へと変貌してしまったからである。
その実態は、全日本トラック協会が2025年3月に公表した「物流の2024年問題対応状況調査結果」からも読み取れる。この調査によると、62.3%の事業者が「ドライバー不足」と回答している。
これに対して、63.8%は求人活動を実施。一方で、31.4%は「受注を減らす」ことで対応している。人手不足の影響は明らかである。
根本的な改善策として考えられるのが賃上げだが、実際には大幅な引き上げに踏み切れる余裕がある事業者は少ない。回答企業のうち、75.8%が1年以内に賃上げを行ったとする。しかし、そのうちの最多層は1~3%程度の賃上げ(35.6%)にとどまっており、実質的な生活改善には至っていない。
さらに、「今後も賃上げの予定はない」と回答した企業は25.6%にのぼる。業界の構造的な限界が浮き彫りになっている。
象徴的なのは、社会的に大きな注目を集めた2024年問題にもかかわらず、標準的運賃の7割以下での受注がいまだ54.8%もあるという現実だ。賃上げの必要性は認識されている。しかし、それを実行できるだけの取引条件が整っていない。この現実こそが、業界の疲弊を物語っている。