なぜホンダは中国EVで苦戦? e:NS1「最大135万円値引き」も…もはや品質だけでは勝てない? 小米も参入、次世代スマートカー競争の行方とは

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ホンダは2035年に中国市場での電動車販売比率100%を目指し、現地適応型のEVブランドへの転換を図る。品質と信頼性で高評価を得る一方、急成長するBYDなどの国産EVメーカーに押され、課題を抱える中で、P7を起点に再起をかけた戦略が求められている。

9年ぶり減速に映る構造転換

ホンダのロゴマーク。2022年11月8日撮影(画像:AFP=時事)
ホンダのロゴマーク。2022年11月8日撮影(画像:AFP=時事)

 品質・信頼性・燃費性能――かつてホンダを象徴していたこれらのキーワードは、今の中国市場でも通用するのだろうか。

 2024年、ホンダの中国における年間販売台数は、9年ぶりに100万台を下回った。一方で、国産電気自動車(EV)メーカーの勢いは止まらない。比亜迪(BYD)の年間販売は383万台に達している。わずか数年で、中国の自動車市場は大きく姿を変えた。

 ホンダは長年にわたり、高品質な日本車として親しまれてきた。しかし今、中国の消費者が求めているのはスマートデバイスとしての自動車である。移動そのものの体験が、再定義されつつある。

 その結果、BYDのような新興勢力や、小米(Xiaomi)のような家電メーカーの参入が注目を集めている。伝統的な自動車メーカーには、デジタル化の波に乗り遅れたという印象がつきまとう。

 もちろん、ホンダの開発力や品質管理能力は、今も高く評価されている。だが、スマートデバイスとしての自動車体験という新しい価値軸においては、後れを取っている。ホンダがこの変化にどう対応し、巻き返しを図るのか。その戦略が問われている。

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