なぜホンダは中国EVで苦戦? e:NS1「最大135万円値引き」も…もはや品質だけでは勝てない? 小米も参入、次世代スマートカー競争の行方とは

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ホンダは2035年に中国市場での電動車販売比率100%を目指し、現地適応型のEVブランドへの転換を図る。品質と信頼性で高評価を得る一方、急成長するBYDなどの国産EVメーカーに押され、課題を抱える中で、P7を起点に再起をかけた戦略が求められている。

次世代モビリティ競争のカギ

AIのイメージ(画像:Pexels)
AIのイメージ(画像:Pexels)

 ホンダは中国市場で品質、信頼性という伝統的な強みを維持しているが、EV化とデジタル化の波に苦しんでいる。e:NS1の販売低迷や価格競争に巻き込まれ、かつてのブランド神話に陰りが見えている。

 しかし、巻き返しに向けた動きも本格化している。2025年3月には広汽本田P7の量産が開始され、年産12万台規模の新たなEV専用工場が稼働する。P7はホンダ初の「W架構(後輪・四輪駆動プラットフォーム)」を採用し、次世代EVへの本格的な取り組みが始まっている。

 今後の競争を左右するカギは、「電動化 + AI」による次世代モビリティの再定義だ。2025年の中国電動車百人会フォーラムでは、BYDや広汽、吉利、蔚来、小米などの主要メーカーが

・AIによる車載OSの進化
・車内UXの再構築
・フルスタック開発による自律制御の実現

といったテーマを掲げ、自社の取り組みを強調している。特に、

「車は単なる移動手段ではなく、進化する“情感パートナー”であり、スマートデバイスとしての体験設計がコア競争力になる」

という認識が業界内で共有されている。蔚来や理想汽車は、自社開発の車載OS(全域操作系統、星環OS)を通じて、AI大模型との統合やインターフェースの柔軟性、開発者エコシステムの構築に注力しており、ソフトウェア定義型車(SDV)としての完成度で日系メーカーを大きく引き離している。フォーラムで、広汽集団の副総経理・高鋭氏は次のように語っている。

「自動運転の能力がなければ、未来の競争に参加する入場券すらない。それがすでに業界内の一般的な共通認識となっている」

つまり、中国自動車業界は、EVであること以上に、

「スマート化 = AI × 自動運転技術の有無」

が、今後の競争のスタートラインであると認識しているわけだ。

 このようななか、ホンダが単にEVのハードを刷新するだけでは不十分であり、スマート化された体験全体をどう設計し直すかが、今後の命運を分けることになるだろう。

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