転生したら「環状八号線」だった件

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東京郊外を貫く環八――全長44km、完成までに約80年を要した“末っ子都道”は、今や1年で約47万人時間の渋滞損失を記録する都市交通の急所。生活環境への配慮と過密交通の狭間で、その存在意義が問われている。

自慢2「井荻トンネル」

環八(画像:写真AC)
環八(画像:写真AC)

 吾輩の技術的な集大成といえば、井荻トンネルである。

 実は、吾輩は北区岩淵を頭に寝床で体を曲げて横たわっていて、井荻トンネルは肩甲骨あたりになる。延長は1263mで、西武新宿線のほか、

・早稲田通り
・新青梅街道
・千川通り

と地下で交差している。さらに外回りは、練馬トンネルと地下で接続しているのが自慢である。井荻トンネル入り口付近にある道路の案内看板を初めて見た時に、何が書いてあるのか一目で理解できるドライバーはほとんどいないだろう。理解しようとして真剣に見ると、かえって危ないような気がしてならない。

 とはいえ、複数の主要道路や鉄道との立体交差、トンネルどうしを地下でつなぐアクロバチックな土木工事、そして半地下部分のコンクリート構造物の造形美と、井荻トンネルは見どころ満載である。

 実際に車で走ってみるのもよいが、東京都道路整備保全公社が井荻トンネル見学ツアーを過去に実施してきたので、今後も機会があればぜひ参加してほしい。

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