中国には「幽霊空港」が存在した! 異常事態… 365空港、日本とも共通する無駄なインフラの背景と末路とは
中国の急速なインフラ整備が引き起こした「幽霊空港」問題。365の空港のうち、利用者が極端に少ない空港が増加し、過剰な施設整備が地方経済に及ぼす影響が顕在化。規制と政府の過度な振興策が、航空業界に新たな課題を突きつけている。
「幽霊駅」増加、中国インフラ過剰問題

世界第2位の人口と経済規模、3位の国土面積を誇る中国。移動需要は大きく、経済規模の拡大にともない、多くの交通インフラが建設された。しかし、2020年代に入ってから、不動産バブル崩壊がささやかれるなか、作りすぎたインフラの過剰さが指摘されている。
その象徴が、高速鉄道の「幽霊駅」だ。15年間で4万km以上の高速鉄道が建設されたが、その中には、作ったものの列車が一度も停車しない「幽霊駅」が20か所以上あるとされている。その場所は、内陸部だけでなく、経済的に豊かな沿岸部にも広がっている。これには驚かされる。極端な例でなくても、1日あたりの利用者が
「10~100人未満」
という駅も多く、まるで日本の廃止直前のローカル線のようだ。これらの駅は各メディアでも報道されている。また、中国北西部の内モンゴル自治区烏海市には、2022年末に開業したが利用者がほとんどおらず、すでに「幽霊駅」と化しているバスターミナルも存在する。
これらの問題を見ていると、かつて利用者の少ない駅や路線を抱え、大赤字で破綻した日本の国鉄を思い出す読者も多いだろう。