電動キックボードは「恥」だが役に立つ
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2023年7月、電動キックボードが日本の都市交通に登場し、利便性と柔軟性を提供する一方、急増した交通違反や事故が社会問題化している。警察庁のデータによると、新制度導入後、違反件数は2万件を超え、飲酒運転も17.2%に達するなど、制度設計の課題が浮き彫りになっている。自由と安全のバランスをどう取るべきかが今、問われている。
筆者の意見

筆者(県庁坂のぼる、フリーライター)は個人的に、電動キックボードという乗り物に対して肯定的な見解を持っている。これは、あくまでモビリティの選択肢を増やすという観点からのものである。利便性という面では、これは非常に優れたモビリティである。
都市空間、特に東京や大阪のような高密度な地域では、駅からの「ラストワンマイル問題」が常に悩みの種となってきた。タクシーは高いし、バスは本数が少ない。自転車は置き場所に困り、歩けば15分はかかる。そこに颯爽と登場したのが、スマホひとつでレンタルできる電動キックボードだった。
実に機動力に優れている。自転車以上に小回りが利き、坂道にも強い。駐輪のストレスがない。時間の制約が大きいビジネスパーソンにとっては、これほど便利な道具はないといっていい。だが、それと同時に不思議な感情が湧いてくる。
「恥ずかしい」
という感情だ。理由はさまざまだ。姿勢が中腰で奇妙に見える。ヘルメットなしで颯爽と走る姿が「イキってる」と誤解されやすい。あるいは、乗っている層の一部にルールを守らない若者が多いために、「ああ、あのタイプね」と思われる懸念もある。
だがこの恥ずかしさこそが、実はこのモビリティが現代都市に投げかけている問いそのものではないだろうか。