武蔵小杉はなぜ「タワマンだらけの街」になったのか? 住民激増、町内会解散…100年前からの歴史を辿る! 令和の都市開発は成功か失敗か

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急成長を遂げた武蔵小杉は、タワーマンションの集中により都市化が進展。しかし、急激な人口増加と住民構成の変化が、地域コミュニティや町内会の運営に深刻な課題を生んでいる。新たな交通インフラと高級住宅地化にともない、地域の活力維持が求められるなか、今後の発展と社会的問題の解決が試練となる。

成功した都市開発とコミュニティ不足

武蔵小杉(画像:写真AC)
武蔵小杉(画像:写真AC)

 筆者(昼間たかし、ルポライター)は、再開発前の武蔵小杉とはまったく違う街となった現在の姿に驚いている。商業施設は充実し、水害リスクを除けば、交通アクセスや生活利便性において、首都圏有数の暮らしやすい街になったことは間違いない。

 だが、その急成長の陰で、地域コミュニティーの成長は追いつかなかった。武蔵小杉の事例が示すのは、多くのタワーマンション住民にとって、この街が「終の住処」ではなく、一時的な

「仮住まい」

としてしか機能していない現実である。

 この事例は、都市開発の成功と地域社会の断絶という矛盾を浮き彫りにしている。今後の課題は、消費者を真の「住民」に変えることだろう。

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