キッチンカーはなぜ「すぐ潰れる」のか? 料理が「見本と全然違う」のクレームも! 一期一会の裏に潜む経営難、移動飲食ビジネスの光と影とは
キッチンカー業界は、顧客ロイヤリティプログラムや新たな営業エリアの開拓で成長を加速。季節限定商品やオンライン予約、デリバリーなどで差別化を図り、安定した集客を目指す事業者が増加中。
浮かび上がる課題

一方、課題も浮かび上がる。同社は2024年9月に実施した調査(回答者200人)で、利用者が「がっかり」した経験についても詳しく分析している。
・提供される商品の品質
・見本写真と実物のギャップ
は大きな不満の要因となっている。ホットドッグを注文したものの、写真とは異なる小さなソーセージが使われていたという声や、価格に見合わない内容に落胆した利用者も多い。
接客態度の悪さも利用者の不満につながっている。忙しさから店員の態度が威圧的だったり、舌打ちをされたりするケースが報告された。さらに、長時間待たされた上に雑な対応を受けたと感じる利用者もいた。
価格に関する不透明さも問題視されている。強風でお札が飛ばされたり、小さなドーナツふたつで380円という高価格に驚いたりする利用者もいた。価格表と請求額が異なるケースもあり、値上げの際は事前告知が必要である。
営業スタイルが地域の環境と合わないケースもある。田舎の道の駅で
「爆音のBGM」
を流すなど、場所に応じた配慮が求められる。また、衛生管理の問題も指摘されており、お金を触った手でそのまま調理する行為は改善が必要だ。キッチンカーの営業場所が分かりづらい、受け渡し口が高すぎて受け取りが困難といったアクセシビリティの課題も挙げられた。
不満を感じた利用者の多くは、別の店に行く、諦めて帰るといった消極的な対応を取っている。しかし、一部ではソーセージのサイズ変更について店側に提案したり、行列のマナー違反をスタッフに伝えたりする建設的な意見も見られた。