高速道路トンネルの「光と闇」 照明設備で渋滞緩和、経済効果も? 笹子トンネル事故から12年…日本のトンネルは安全になったのか

キーワード :
,
日本の高速道路におけるトンネル設備の格差は、安全性と渋滞緩和に大きな影響を与える。最近の技術革新で設備は進化したが、老朽化したトンネルでは未だ改善が求められている。トンネルの設備強化がもたらす経済的波及効果は計り知れず、安全でスムーズな交通社会構築に不可欠だ。

安全と経済を左右するトンネルインフラ

東名上り線。日本坂トンネル(画像:写真AC)
東名上り線。日本坂トンネル(画像:写真AC)

 日本は島国でありながら、国土の約7割が山地である。限られた面積のなかに高い標高の山々が連なり、その影響で道路には多くのトンネルが存在する。運転経験のある人なら、一度はトンネルを走行したことがあるだろう。

 トンネル内やその付近の走行には、通常の道路とは異なる注意点が求められる。特にトンネル内は暗いため、ライトを点灯し、十分な車間距離を確保することが重要だ。

 私(都野塚也、ドライブライター)は仕事とプライベートで年間約6万kmを走るが、そのなかで気づいたのが

「トンネル設備の充実度」

に大きな差があることだ。特に高速道路のトンネルは、路線や地域によって設備水準が異なる。設備が整ったトンネルとそうでないトンネルでは、走行のしやすさが大きく変わる。

 トンネル設備の強化は、安全性の向上にとどまらず、渋滞の緩和にもつながる。交通の円滑化は物流や観光の促進を後押しし、経済効果も期待できる。本稿では、日本の高速道路におけるトンネル設備の現状と、今後の展望について考察する。

全てのコメントを見る