高速道路トンネルの「光と闇」 照明設備で渋滞緩和、経済効果も? 笹子トンネル事故から12年…日本のトンネルは安全になったのか
日本の高速道路におけるトンネル設備の格差は、安全性と渋滞緩和に大きな影響を与える。最近の技術革新で設備は進化したが、老朽化したトンネルでは未だ改善が求められている。トンネルの設備強化がもたらす経済的波及効果は計り知れず、安全でスムーズな交通社会構築に不可欠だ。
LED照明導入で進化する安全対策

トンネル内の安全性向上のため、さまざまな最新設備が導入されている。これらは非常時の備えだけでなく、日常的なドライバーの安全確保にも寄与している。
例えば、トンネル内の火災を迅速に発見できる炎強調カメラや、トンネル出入口付近の明るさの違いによる誤検知を防止するWDRカメラなどが、トンネルの防災対策として機能している。
また、トンネル内で最も重要な設備のひとつである照明も進化してきた。1990年代まではナトリウム照明が主流であった。この照明は消費電力が低く、長寿命であり、高速道路のトンネルに最適だった。さらに、トンネル内が排気ガスで汚染されても視界を確保しやすいという利点があった。
しかし、2000年代に入り、家庭用にLED照明が普及すると、高速道路のトンネルでも徐々に導入されるようになった。LEDは消費電力がさらに少なく、視界も確保しやすいことから、ナトリウム照明に代わって広まりつつある。
基本的に、ナトリウム照明のトンネルはオレンジ色、LED照明のトンネルは白色で照らされる。近年開通した路線や区間、既存の路線でも、ナトリウム照明からLED照明への切り替え工事が進められている。