高速道路トンネルの「光と闇」 照明設備で渋滞緩和、経済効果も? 笹子トンネル事故から12年…日本のトンネルは安全になったのか
日本の高速道路におけるトンネル設備の格差は、安全性と渋滞緩和に大きな影響を与える。最近の技術革新で設備は進化したが、老朽化したトンネルでは未だ改善が求められている。トンネルの設備強化がもたらす経済的波及効果は計り知れず、安全でスムーズな交通社会構築に不可欠だ。
老朽化進むトンネルの補修問題

トンネル設備は次々と進化しているが、設置には当然コストがかかる。日本の経済状況が厳しいなか、費用の捻出方法は重要な課題だ。
例えば、四国地方は山岳地帯が多く、四国地方整備局が管理する道路の電気料金の約4割は、トンネル内の照明や換気設備による消費電力が占めている。トンネルの延長や設備新設により、さらに電力消費が増加し、長いトンネルでは年間1000万円以上の電気料金がかかることもある。
また、歴史あるトンネルは運用開始から50年以上が経過し、老朽化が進行中であり、今後も安全に運行するためには補修や改修が不可欠だ。実際、2012年12月には中央自動車道の笹子トンネルで老朽化による天井板落下事故が発生し、9人が犠牲となる重大な事故が話題となった。
今後、日本の交通や経済を支えるためには、より安全でスムーズな走行を実現するためのトンネル設備の整備が求められる。そのための費用捻出方法として、2023年5月に高速道路料金の無料化延期が発表された。これにより、高速道路の有料化が続くことになるが、未来への投資として、国や自治体、利用者が協力しながらバランスを取り、費用を捻出していくことが重要だ。