断じて“割り込み”じゃない! 「ファスナー合流」賛否両論、ドイツで常識なのに、日本でなかなか根付かないワケ

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渋滞緩和の新たな切り札「ファスナー合流」。経済的効果や燃費向上が期待される一方、ドライバーの心理的障壁や認知度の低さが課題となっている。国際的に導入が進むこの手法、果たして日本でも浸透するのか。

道路事情を左右するルール

ファスナー合流のイメージ(画像:写真AC)
ファスナー合流のイメージ(画像:写真AC)

 日本の道路事情にはさまざまな課題があるが、なかでも最大の問題は「渋滞」だろう。新たな高速道路や幹線道路が次々と開通しているものの、日本全体で見ると渋滞の根本的な解決には至っていない。

 国土交通省をはじめ、道路を管理・運営する各団体は、渋滞緩和に向けた施策を進めている。ドライバー側もこうした取り組みを理解し、実践することで、渋滞の軽減につながるはずだ。

 近年、道路関連のニュースや高速道路の情報掲示板などで目にする

「ファスナー合流」

も、その一環といえる。これは、渋滞中の高速道路や幹線道路で合流する際、本線と合流車線の車両が1台ずつ交互に譲り合いながら合流する方法だ。さらに、合流車線を可能な限りフルに活用し、本線との合流地点ギリギリで合流するのが望ましいとされている。

 しかし、この方法には肯定的な意見がある一方で、否定的な意見も少なくない。渋滞緩和に一定の効果があるとされるファスナー合流に対し、なぜ賛否が分かれるのか。そのメリットと課題について考えていきたい。

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