自己肯定感が低い運送会社の社員を「頭の良い社員」に変えるたった一つの方法

キーワード :
, , ,
従業員に論理思考能力を身に付けさせる方法について、後編となる本稿では、事例を挙げながら考えていこう。

ある役員が口にした“最悪”の一言

経営陣の思いがけない一言によって、従業員のやる気が失われてしまうことも(画像:写真AC)
経営陣の思いがけない一言によって、従業員のやる気が失われてしまうことも(画像:写真AC)

「皆さん、一生懸命改善策を考えてきたんだって? 当然、費用対効果もちゃんと考えているんだよな。ガンガン指摘していくから、覚悟するように」と言ったのだ。

 筆者は焦って、今回の件を依頼してきた役員に目を向けた。彼も焦っていた。

 そもそも、このプロジェクト最大の目的は、ボトムアップの機運を醸成することだった。だからと言うわけではないが、「費用対効果の算出まで行うのは、まだ早いだろう」と考え、行っていなかったのだ。

 問題の役員にもその旨は伝わっていたはずなのだが、外部から招かれ、事あるごとに周囲のモチベーションを下げる暴力的な正論を振りかざす、元銀行員には理解してもらえなかったようだ。

 焦っても、もはや手遅れだった。

 メンバーたちの目からはワクワク感が失せ、怒りと諦めが宿っていた。結局、提案した改善策は何一つ実行されることなく終わった。

全てのコメントを見る