自己肯定感が低い運送会社の社員を「頭の良い社員」に変えるたった一つの方法
- キーワード :
- 物流, 運送, 社員教育, 論理思考の身につけ方
従業員に論理思考能力を身に付けさせる方法について、後編となる本稿では、事例を挙げながら考えていこう。
社員たちが指摘した200個の「問題点」
そこで筆者は、トラックドライバーと倉庫作業員から20人ピックアップしてもらい、改善プロジェクトチームを構成してもらった。当初、この20人の中には、後ろ向きな人も少なくなかった。それはそうだろう。余計な仕事を、新たに振られたのだから。
筆者は、会議において参加者同士のアイデアをぶつけあい、そしてより良いアイデアへと昇華させるために、ブレインストーミングを行った。用いたのは、KJ法とマインドマップである。
プロジェクト開始にあたり、メンバーに課したルールは以下である。
・否定はNG
・もしどうしても否定したい他者の意見があったときは、代案を出す
(「君の○○という意見もすばらしいが、私は△△が良いと考えている」)
・突拍子もない意見は大歓迎
・アイデア、考えを出すことに躊躇(ちゅうちょ)しない
(「こんなことを言ったら馬鹿にされるかも」は不要)
・他人のアイデアにどんどん乗っかる
(「君の○○というアイデアだけど、△△にすると、もっと良いんじゃないか?」)
KJ法では、名刺サイズくらいのカードを用意する。このプロジェクトでは付せん紙を使った。
一人10個、現場の問題点を書き出してもらった。20人いるから、200個の問題点が抽出されたことになる。200個の問題が書かれた、200枚の付せん紙を卓上に並べたら、これらをグループ分けしていった。