「鉄道オタク」はなぜ攻撃的なのか? SNSで暴走する“ネット弁慶”たちの正体! 美しき「鉄道文化」をかき乱す承認欲求とは

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鉄道やバス、ミリタリー分野における「オタク文化」は、深い知識と情熱を生み出す一方で、批判的な議論を引き起こしやすい現代のネット環境では問題となっている。しかし、熱心なファン同士が協力し、新たなコミュニティを形成する事例も増加している。知識の共有を通じて、モビリティ業界における健全な議論がどのように生まれるのかが重要な課題となっている。

鉄道ニュース執筆のリスクと報酬

鉄道(画像:写真AC)
鉄道(画像:写真AC)

 鉄道やバス、ミリタリーに関する記事を書くことを避けるライターも少なくない。その理由として、「オタクが面倒だ」という意見がよく聞かれる。今回は特に鉄道オタクに焦点を当て、筆者(昼間たかし、ルポライター)の実体験をもとにその背景について考えてみたい。

 筆者も当メディアに寄稿を始めてから、その理由を徐々に理解できるようになった。SNSでの反応を見ていると、時に批判的なコメントを目にすることがある。例えば、地名や車両の型番を誤った場合には謝罪が必要となるが、それだけが問題となるわけではない。

「○○に触れていない」
「○○の視点が不足している」

など、限られた文字数で指摘されることもあり、時にはその表現が厳しいこともある。このような指摘は単なる批判にとどまらず、しばしば意図的に攻撃的なニュアンスが含まれていることがある。そのような現実に直面することが、ライターを萎縮させてしまう原因のひとつではないかと思われる。

 多くの著作がある、某ベテランライターは、

「鉄道オタクは、鉄道会社が「絶対正しい」と信じている人が多い。鉄道趣味は宗教的な側面があるとも感じている。鉄道ニュースが難しい理由は、こうした熱心なオタクにとって、自分が知っている内容が書かれると「内容が薄い」と批判し、逆に知らない内容が書かれると「そんなことはない」と否定されることが多いことだ。異なる意見に対しては、徹底的に反論する態度が見られることも多い。鉄道ニュース、特にネットでの記事執筆は、手間がかかる割に得られる成果が少ないと感じる」

とぼやいていたと聞いた。

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