成田空港はなぜ「都心」からこんなに遠いのか? その距離なんと「60km」 歴史的背景を考える

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成田空港の「遠さ」は単なる地理的な問題ではなく、戦後の歴史や政治、航空政策の影響を受けた構造的な課題である。都心から約60km離れた成田は、今なおアクセスの不便さとともに、羽田空港との競争や空域問題に直面している。2026年度には圏央道の開通で改善が期待されるものの、その「必然的な遠さ」の代償を私たちは払い続けている。

都心から60km超の隔絶

成田空港(画像:写真AC)
成田空港(画像:写真AC)

 世界の主要空港の中で、成田空港ほど「遠さ」が議論される空港は少ない。ロンドン・ヒースロー、パリ・シャルル・ド・ゴール、北京首都国際空港などは、いずれも都心から30km圏内に位置し、鉄道や道路でのアクセスが確立されている。

 それに対して、成田空港は都心から

「60km以上」

離れ、開港から半世紀以上経った現在でも、その「遠さ」を解消するための十分な手立ては取られていない。

 では、なぜ成田空港は都心からこれほど離れた場所に建設されたのか。この問いに答えるためには、単なる地理的要因にとどまらず、日本の戦後史や国内政治、国際関係、さらには航空政策の変遷を深く理解する必要がある。

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