「鉄道オタク」はなぜ攻撃的なのか? SNSで暴走する“ネット弁慶”たちの正体! 美しき「鉄道文化」をかき乱す承認欲求とは
建設的対話の欠如
オタクの一部には、
「自分たちは特別な知識を持っている」
と感じる傾向が見られることがある。これは、彼らの知識が社会で十分に評価されにくい現実と関係していると考えられる。
「社会の主流から評価されない」
ことが、逆に「同じ知識を持っている者同士の世界」で自分を特別だと感じる心理を生むことがある。この意識がときには、新たに参入した人や異なる価値観を持つ人々を排除するような動きにつながることがある。たとえば、「昔から知っている自分こそが本物のファンであり、新しいファンは理解していない」という考え方や、「歴史の知識が浅い者は話すべきではない」という見方がその例かもしれない。
このような傾向は、特にネット上で強調されることがある。オンラインでは、特定の分野に詳しい人たちが集まり、その中で「知識が多い者が優位」という暗黙のルールが形成されることがある。結果として、新しい参加者が軽視されたり、異なる視点を持つ人が攻撃されることがある。
オタクのネット上での攻撃的な態度は、個々の性格や感情に限らず、知識が十分に評価されない社会構造や、インターネット上での承認欲求が影響していることがある。知識を持つこと自体は非常に価値があることだが、それが他者を攻撃する手段として使われると、議論の場は対立や排除の場に変わり、知識そのものの価値が薄れてしまう可能性がある。
攻撃性を和らげるためには、「知識の多さだけが全てではない」という視点を持つことが大切だろう。また、ネット上の議論を見直し、知識を披露することだけでなく、建設的な対話を重視する文化を育てることが求められるかもしれない。インターネットが本来持っている知的な交流の場としての可能性を活かすためには、「知識の共有」と「相互尊重」が大切な要素になるのではないだろうか。