三菱自はなぜ「経営統合」を見送るのか? 独自路線で生き残れる? 78万台vs300万台……見送りのリスクとASEAN市場の未来を考える

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三菱自動車は、ASEAN市場で約3割のシェアを誇り、今後も成長を牽引する重要な地域として位置づけている。しかし、ホンダ・日産との経営統合を見送り、自社の独自路線を選択した背景には、競争激化やブランド価値の希薄化に対する懸念がある。自社の強みを生かしつつ、技術革新と市場適応力を維持するための戦略が問われる。

三菱自の戦略とリスク

三菱自動車のロゴ。2020年1月22日撮影(画像:EPA=時事)
三菱自動車のロゴ。2020年1月22日撮影(画像:EPA=時事)

 日本経済新聞が2024年12月18日に、ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議を開始したと報じてから、1か月以上が経過した。そして、2025年1月24日付の読売新聞朝刊では、三菱自動車(以下、三菱自)が経営統合への合流を見送る方針であることが伝えられた。

 三菱自は株式上場を維持しつつ、ホンダや日産との協業関係を強化し、

・車両の相互供給
・技術提携

などの可能性を模索していくと見られる。

 本稿では、三菱自が強みを持つ東南アジア市場での優位性が合流見送りの背景にあると仮定し、独自路線を選択することの課題とリスクについて検証する。

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