日産・ホンダの統合はなぜ破綻したのか? ゴーン氏が的中させた「買収劇」の結末! 「日産・鴻海・シャープ連合」誕生の可能性はあるのか?
日産とホンダの経営統合協議が、開始からわずか2か月足らずで決裂の方向に向かっている。ホンダによる子会社化の提案を日産が拒否し、交渉は事実上の終焉を迎えた。元日産会長カルロス・ゴーン氏は以前からこの展開を予測しており、その見立ては的中した。統合破談により、日産は台湾・鴻海との提携交渉を再開する可能性も浮上。EV市場の競争激化のなかで、今後の戦略が問われる局面となっている。
ゴーンの慧眼、見抜いていた破談

ホンダと日産自動車の経営統合に向けた協議が、わずか2か月足らずで終焉を迎えつつある。2024年12月半ば、日本経済新聞が両社の協議開始を報じてから短期間での展開となった。2月6日には両社トップが会談し、日産はホンダから打診された子会社化案を受け入れられないと伝えたとされる。
ホンダと日産の経営統合は、自動車業界にとって大きな変革をもたらす可能性を秘めていた。しかし、この展開を事前に予測していた人物がいる。日産の元会長カルロス・ゴーン氏だ。彼の見解は、今回の協議決裂を読み解く上で示唆に富む。
本稿では、ゴーン氏のこれまでの発言を振り返りつつ、彼がホンダと日産の経営統合を困難と見ていた理由を検証する。そして、統合が実現しなかった今、日産が今後進むべき道を探る。