率直に問う! 北陸本線特急、敦賀以東「直通復活」は可能か? JR西社長・大阪~和倉温泉間運行検討発言から考える
大阪から東海道線経由で和倉温泉などへの直通特急再導入に向けて、JR西日本と第三セクター間の調整が鍵となる。競争激化と収益減少の中、観光振興を軸にした戦略的な再生案が求められる。
踊り子存続の裏に潜む経済効果」

一見、JR東海が存続に同意しないほうが合理的に思えるが、必ずしもそうとはいえない。
現状を確かめるため、1月下旬に東京駅から踊り子9号修善寺行きに乗車した。終点の修善寺駅では約50人が下車した。そのなかには外国人観光客も多く、踊り子がインバウンド誘致に貢献していることがわかった。
踊り子の定期列車は1日2往復が修善寺駅に乗り入れており、1列車平均50人の乗降があったと仮定すると、年間利用者数は7万3000人となる(臨時列車の乗降客数は除外)。
東京駅~三島駅間でJR東海の大人ひとり当たり減収額は約3551円(東京駅~三島駅間新幹線自由席4070円-熱海駅~三島駅間踊り子収入519円)と推算できるため、年間減収額は約2.6億円となる(発券手数料などは無視。図1参照)。
実際には、途中停車駅での乗降や臨時列車の乗車人員の変動もあり、この通りの金額になるとは限らないが、減収額は小さくないと考えられる。