空きスペースで特産品を輸送! 交通事業者の「貨客混載」はコロナ後の頼れる収益源となれるか

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旅客輸送の空スペースを使用して生鮮品などを運搬する産直の試みが注目されている。JR東日本は新幹線網を活用して地方の特産品の流通を促進している。

貨客混載とは何か

宅急便をバスボックスに搭載する様子(画像:京王電鉄)
宅急便をバスボックスに搭載する様子(画像:京王電鉄)

 2年以上と長期化したコロナ禍は、社会構造や生活意識に大きな変化をもたらしている。感染対策のために急速に導入拡大されたリモートワークは、働き方改革の観点からコロナ収束後も一定数の企業で維持されるだろう。

 コロナ禍は交通事業者にも大きな打撃を与えた。観光需要はコロナ収束後の市場喚起が期待できるが、日常的な通勤の需要が元通りに回復するのは難しい。

 またリモート会議の定着から、遠方への出張は時間やコストの節約のため、今後も大幅に削減される方向で、飛行機や新幹線といった広域交通網がその影響を受けるだろう。交通事業者には新たな市場環境に対応した方向性が求められており、レジリエンス(回復力)の観点からも

「事業の多様性」

が重要となっている。

 そのような中で注目される試みのひとつが、旅客輸送の空きスペースを使って生鮮品などを運搬する産直である。いわゆる、貨客混載輸送(以下、貨客混載)であり、シェアリングエコノミーの一環だ。

 貨客混載とはその言葉の通りで、貨物と旅客の輸送、運行を一緒に行うことだ。試み自体はコロナ以前から始まっている。元々は過疎地域での交通・物流インフラの維持などを目的に、ヨーロッパで始められたもので、日本では

・CO2削減など環境負荷の軽減
・都市部での渋滞緩和
・宅配業者の人手不足対策

などを目的に、2010(平成22)年に札幌市で地下鉄を使った宅配便の拠点間輸送の実証実験が行われている。