「地方暮らしはクルマがないと無理」は単なる甘え? 本当? いまや75歳以上の高齢者「約2割」時代…地方の交通インフラ崩壊の危機とは

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地方での生活におけるクルマの不可欠さが再認識されている。高齢化が進むなか、公共交通では代替できない実情が浮き彫りに。福岡や秋田の事例をもとに、クルマ依存が進む現状とそれが生む課題を検証する。

都市部でも深刻化する食料品難民

 買物難民の増加は、すでに深刻な社会問題となっている。農林水産省の農林水産政策研究所は、店舗までの直線距離が500m以上で、かつ65歳以上でクルマを利用できない人を

「食料品アクセス困難人口」

と定義している。2020年の国勢調査をもとにした推計では、この人口は全国で904万人に達し、65歳以上の25.6%に相当する。75歳以上に限れば566万人、全75歳以上人口の31.0%にのぼる。

「食料品アクセスマップ」によれば、この問題は地方だけでなく都市部でも深刻だ。東京都内でも府中市は34.7%、八王子市は39.8%と、多くの高齢者が日常の買い物に困難を抱えている。福津市(32.8%)、糸島市(31.3%)、秋田市(31.4%)なども同様の状況にある。

 さらに衝撃的なのは、アクセス困難人口の割合が30%を超える地域がひとつもないのは、全国で富山県だけという事実だ。一方、青森県では県庁所在地の青森市(34.9%)を含め、すべての市町村で30%を超えている。秋田県も同様で、30%を下回るのは大潟村(29.4%)のみという深刻な状況にある。

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