広島と愛媛の「この場所」に、なぜ橋を作らないのか?
離島架橋は地域振興のカギとなるが、広島県の芸予諸島の未完成架橋計画が示すように、単なるインフラ整備では効果が限られる。都市の活性化と広域的な交通ネットワーク構築が求められる。
広島・愛媛の温度差

この状況を打開する策として、しまなみ海道との接続構想がある。この構想自体は新しいものではなく、1973(昭和48)年に中国地方建設局と四国地方建設所が実施した「西瀬戸島しょ部交通体系調査」ですでに言及されていた。2000(平成12)年には、当時の藤田雄山広島県知事が
「将来は瀬戸内しまなみ海道と結び、ネットワーク化を図るのが望ましい」
と発言している。しかし、構想の発表から半世紀近くが経過した現在も、具体的な動きは見られない。広島県・愛媛県のいずれにおいても、本格的な検討課題として議論されたことはないのが現実だ。
現時点では、この構想は広島県議会で時折言及される程度にとどまっている。近年では、2023年9月26日の県議会定例会(第5日)で、呉市選出の犬童英徳県議が
「岡村島から大崎上島を経て本土を結ぶ安芸灘諸島連絡架橋八号橋及び本土架橋構想と、岡村島から大三島を結ぶ関前諸島架橋構想であります。確かに岡村島から大三島の部分は、愛媛県の管轄範囲でありますが、愛媛県側が乗り気でないからと、何もしないのはいかがなものでしょうか」
と発言している。これに対し、県側は
「この架橋構想の実現につきましては、管轄である愛媛県に改めて見解をお伺いしたところ、非常に大規模な事業となるため、愛媛県の社会経済情勢を勘案すると、早期の事業化は難しく、将来の構想と認識しているとのこれまでと同様の回答でございました。本県といたしましては、この架橋構想の管轄である愛媛県の意思を尊重し、現時点におきましては、将来的な構想と受け止めているところでございます」
としており、実現可能性は低いものと考えられる。