高速道路「暫定2車線」はなぜ改善されない? いまだ「20%」も残存! 地方を貧困化? 格差を生む意外な仕組みとは

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日本の高速道路は急速に拡大しているが、その約20%が暫定2車線で運用されている。暫定2車線には経済的な利点もあるが、安全面や交通渋滞といった課題が深刻化している。国土交通省は4車線化を進める方針を示しており、解決策が求められる時期に来ている。

約80%が暫定2車線の現状

暫定2車線の中部横断道(画像:都野塚也)
暫定2車線の中部横断道(画像:都野塚也)

 近年、日本の高速道路ネットワークは急速に拡大している。2000年代に入ってから、主に以下の路線が整備されてきた。

・各地域の主要路線
・主要都市と地方都市を結ぶ路線

 これに加え、地方都市同士を結ぶ路線や、主要路線と並行してバイパスの役割を果たす路線が次々と誕生している。しかし、依然として高速道路の整備が十分でないと感じる部分は多く、仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)も「もっと整備されればいい」と感じることがしばしばある。

特に、暫定2車線区間を走行している際には、便利である一方、いくつかの不便を感じることが避けられない。暫定2車線とは、最終的には片側2車線通行にする予定の高速道路が、立地や予算の制約で暫定的に2車線で運用されている区間を指す。

 実際、日本の高速道路には暫定2車線で運用されている区間が意外と多く、2023年4月に発表された国土交通省の統計によると、全体の

・有料区間:約20%
・無料区間:約60%

が暫定2車線区間である。高速道路の暫定2車線にはさまざまな課題が存在しており、今回はその課題と今後の展望について、さまざまな観点から考察していく。

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