函館線「小樽~長万部」廃線に漂う暗雲 全線「バス転換」は本当に賢い判断か
北海道新幹線の2030年札幌延伸にともない、小樽~長万部間の函館線が廃線となる。バス転換で代替も黒字化には暗雲が漂っている。
バス路線維持への期待と不安

一方、小樽~余市間の輸送密度(1kmあたりの1日平均旅客輸送人員)が2000人を超えるにもかかわらず廃止となることに、驚きの声も。この背景には、沿線自治体の温度差がある。
余市までの間にあるのはふたつの無人駅だけだ。人口も少なく、並行する路線バスもあるため、廃止の影響は少ない。かつ、小樽~余市間の線路長の4分の3が小樽市にあるため、存続時の負担を懸念する声もあった。
新幹線駅ができる倶知安町と長万部町には、余計な負担となる並行在来線は避けたいという意向が強かった。とりわけ長万部町は函館~長万部間について、JR貨物から使用料を得られる貨物列車のみを残し、そのぶん新幹線利用者の乗換駅となることを想定して、駅の高架化を含めた大規模な再開発に着手している。
協議会の決定を巡って、鉄道の路線廃止を疑問視する意見も少なくない。しかし地元目線に立てば、利用しない路線の廃止は当然といえるだろう。その上で議論すべきは、代替のバス路線の維持だ。さらには、路線利用者だけでは黒字にならない地域をどう維持するかである。
札幌などの大都市への人口集中が加速する北海道において、このような議論は今まで以上に求められている。