JRの券売機はなぜ使いにくいのか? デジタル化が裏目に出たワケ! 利用者視点で考える鉄道の未来とは

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指定席券売機の利用が難しさを増し、年末年始の混雑時に不便を感じる人々が増えている。デジタル化が進む一方で、システムの使い勝手には大きな課題が残り、JR各社の案内も利用者にとって十分に理解されていない。特に、新幹線や特急の乗り継ぎの際に実感する操作の不便さや、駅のデジタル化が進む一方で、駅員の減少や無人化が進む現状についても触れ、鉄道業界の変革が求められている。

指定席販売の不便さ

券売機(画像:写真AC)
券売機(画像:写真AC)

 インターネットで「自動化しているが使いにくいもの」というランキングサイトがあった。統計学的に整理されたデータかどうかはわからないが「音声ガイダンス(コールセンターなど)」「セルフレジ」「スマートフォン注文(飲食店など)」などが挙げられるなかで、鉄道の指定席券売機が2位にランクインしていた。

「確実に人間(有人窓口)がやった方が早いだろあれw」
「システムが一見さんお断りすぎる」

というコメントが付いていた。おりしも今は年末年始、新幹線や特急など指定席の利用が急増する時期である。

 筆者(上岡直見、交通専門家)は国鉄時代に全線乗りつくしも達成して、いわゆる「乗り鉄」だが、それでも最近のJR各社が提供するデジタル手段は使いにくくて閉口する。先日たまたまJR東日本の北陸新幹線を利用したが、駅では自動音声で、窓口以外の手段をできるだけ利用してほしいと繰り返していた。

「窓口に並ばずゆっくりのんびりと年末年始のご旅行を」
「できるだけ多くのお客様にスムースにご利用いただくために」
「自動券売機ではさまざまなきっぷをお買い求めいただけます」

というのだが、そういっておきながらいずれの案内も最後に

「くわしくはホームページで」

で終わってしまうのはいささか投げやりの印象を受ける。それがわかりにくいから窓口に行くのである。まして盆休や年末年始しか新幹線や特急を使わない人にとってハードルが高いのは当然だ。

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