宇都宮LRT、2024年も大ヒットのワケ! 累計乗客数ついに「600万人」突破、成功要因を今さらながら徹底解剖する
2023年8月に開業した栃木県の宇都宮ライトレールは、わずか1年で黒字化を達成した。初年度の純損益は約5700万円の黒字となり、地方鉄道の常識を覆す結果となった。この路線は新型車両と全ドア乗降システムを採用し、定時運行率の高さや利便性が評価されている。利用者数は開業当初の予想を大きく上回り、沿線地域では地価上昇や開発の活性化といった経済効果も生まれている。地域活性化のモデルケースとして注目されている。
広々車内で実現した快適空間

国内の多くの路面電車は1~2両編成で、車内は一般の電車より少し狭く、通勤電車のようなロングシートが設置されている。
一方、宇都宮LRTのHU300形は1編成3両で、車内は広めで、ふたり掛けのクロスシートが並んでいる。座席は意外にも硬くなく、少しふわっとした座り心地で、長時間乗っても疲れにくい設計だ。
宇都宮LRTの線路の幅はJR在来線と同じ1067mmで、都電や世田谷線(1372mm、京王線などと同じ)、広島電鉄や長崎電気軌道(1435mm、新幹線などと同じ)より狭いが、その車幅は国内の超低床LRVとしては最大級の2650mm(都電は約2203mm、広島の最新型LRV・5200形は2496mm)だ。連結部の貫通路も広く、車内は開放感があり、乗り込むと予想以上に広く感じる。
広い車内には車いすやベビーカー優先スペースも十分に確保されており、天井には多くのLCD表示器(液晶画面)が取り付けられていて、停車する電停の確認も簡単だ。
このように、宇都宮LRTは
「新時代の路面電車」
としての魅力を実感させてくれる。
隠れた宇都宮愛の表現

宇都宮LRTの塗装やラインカラーは鮮やかな黄色で、目立ちやすさだけでなく、宇都宮の愛称・雷都にちなんだ雷の稲妻をイメージしたものだ。
実は、車内外には「隠れ宇都宮」や「隠れ栃木」の要素がいくつも盛り込まれている。
例えば、HU300形の車内には雷模様や宇都宮名産の石材・大谷石をモチーフにしたデザインが施されており、停留所には本物の大谷石も使用されている。
車内外を見渡しながら、宇都宮への愛を感じてほしい。