コロナイメージ脱却なるか? 豪華客船クルーズから見る「次世代の旅行」とは
ドイツの大型豪華客船の利用者推移

ここで、ドイツ国内におけるクルーズ船乗客数の推移を見てみよう。
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2004年から2019年の15年間で、乗客数は89万人から312万4000人へと3.5倍に増加している。このように新型コロナウイルスが発生する以前は、市場は順調に拡大していた。
2020年および2021年は、新型コロナウイルス感染拡大以前には及ばないものの、
・2020年:140万5000人
・2021年:94万6000人
と相変わらず多くの人々が利用している。ドイツ国内における統計データだけで考えても、豪華客船での旅行への一定数の需要の存在がうかがえる。
さて、2022年以降だが、豪華客船クルーズはどのように運営されるべきだろうか。
寄港しないクルーズが中心に?

現在、クルーズライン国際協会(CLIA)により示されている、新型コロナウイルス感染対策の主なルールは以下のとおりである。
・乗客および船員の定期的な検査
・ビュッフェの閉鎖
・マスク着用義務
・電子キーの採用
・スマートフォンアプリによる下船後の経路の完全な追跡
さらにヨーロッパでは2022年2月23日から2回目のコロナウイルス予防接種日が、搭乗日の3か月より前の乗客は、3回目の追加接種証明書の提示が必要になった。
乗員および乗客がルールを厳格に守っても、豪華客船クルーズ内における感染事例をゼロにすることは不可能だ。その一方、業界内では豪華客船クルーズの方が他の旅行手段と比較して安全だという意見がある。
豪華客船クルーズが安全という意見は、豪華客船クルーズの閉鎖空間が最大の武器になる。要するに、目的地に寄港するなどして、不特定多数の観光客と接触しなければ良い、という意見なのだ。
20年以上クルーズ業界でコンサルタントに携わってきた専門家は、ドイツのメディアDW(ドイチュベレ)のインタビューで、
「今後は、リゾート地におけるテーマパークのように豪華客船クルーズ自体が目的となる」
と予測している。
乗客は航海中の安全な閉鎖空間において、劇場や映画館、プール、バー、ディスコ、アトラクションを楽しむということだ。