北陸新幹線「米原1兆円 vs 小浜5兆円」 そろそろ東京側の二重系も視野に入れた「フェアな議論」が求められるワケ

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北陸新幹線のルート選定を巡る論争。米原ルートの1兆円に対し、小浜ルートは5兆円。リダンダンシー確保のための「完全別線」は本当に必要か?東京側の二重系化の遅れが運行障害を招く可能性を指摘し、現実的な解決策を探る。

新幹線計画の行方と課題

上越新幹線大宮駅南側断面図。「東北新幹線工事誌(上野大宮間)」を基に筆者作成(画像:北村幸太郎)
上越新幹線大宮駅南側断面図。「東北新幹線工事誌(上野大宮間)」を基に筆者作成(画像:北村幸太郎)

 池袋から大宮までのルートはどのように考えられていたのだろうか。

 過去の新聞報道によると、池袋から赤羽までは埼京線直下を通り、赤羽から大宮までは、武蔵野線の開業により不要となる予定だった東北貨物線、現在の湘南新宿ラインの線路を剥がしてそこに新幹線を通す計画だったようだ。

 しかし、現在新たにこのルートを作るとなると、湘南新宿ラインを廃線にすることはできないだろう。

 そのため、別のルートを考える必要がある。これについては後で詳しく検討する。

高架橋の柱から出る謎の出っ張り

高架橋の増設を待つ柱の出っ張り(画像:北村幸太郎)
高架橋の増設を待つ柱の出っ張り(画像:北村幸太郎)

 大宮駅付近はどのように計画されていたのだろうか。

 資料を調べたり、実際に現地に行ってみたりすると、新宿延伸のための準備工事が至るところで行われていることがわかる。

「東北新幹線工事誌(上野大宮間)」によると、大宮駅の南側の高架橋では、現在線の西側に2線分の腹付線を増設し、場所によっては複線の両側に腹付線を増設して複々線化する計画があったようだ。

 実際に現地の線路を見ても、複々線用のスペースを確保するための広い高架橋部分や、複線高架部分の両側にさらに1線ずつ追加できる構造物が見受けられる。

 高架橋の柱に横方向に柱や梁(はり)を追加できるような出っ張りがある部分が目印だ。また、車窓から見ると、複線分の高架橋にしては不自然に幅が広くなる箇所があることに気付くだろう。

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