「寝台列車」本格復活のカギは出張? 「ホテル高騰時代」に光る新たな魅力、コスト削減と快適性で注目か【連載】夜行列車現実論(1)

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寝台列車が復活すれば、ビジネスマンにとって出張費用の節約と快適な移動手段を両立できる可能性がある。東京~大阪間の新幹線やホテル代に比べ、サンライズの寝台車は1泊分の宿泊費を削減できるだけでなく、移動中に休息も取れる。しかし、運行に必要なコストや管理面での課題も山積み。寝台列車の未来はどこへ向かうのか?

夜行バスvs寝台列車

夜行バス(画像:写真AC)
夜行バス(画像:写真AC)

 夜行バスは、コロナ禍を経て需要が戻りつつあり、路線の再開も進んでいる。宿泊代を抑えられるのは職場側にとってメリットがあり、出張者側は移動中に睡眠が取れるため、労使双方にとってメリットがある。

 東京~大阪間には多くの夜行バスが運行されており、少しの自腹で特別シートを利用するビジネスパーソンも増えている。また、プライベートの夜の時間をバスの車内で過ごすことも一般的になってきた。

 筆者の周囲にも、中小企業の部長以上やフリーランスなど、夜行バスをビジネスで愛用している人が少なくない。時間とお金を有効に使えるため、夜間移動には大きなメリットがある。

 ただし、関東バス(東京都中野区)などのドリームスリーパーが登場した際にも話題になったが、

「完全に横になれるベッド形式のバス」

は、

・道路運送法
・道路運送車両法

の制約により成立しない。この点を考慮すれば、完全に横になれる寝台列車がビジネスユースに向いているともいえる。今後、夜行バスの愛用者を寝台列車にシフトさせるためには、市場調査が必要だろう。

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