公共交通で「タッチ決済」が急成長! ぶ厚い“クレカの壁”を打破するのはデビットカードなのか?

キーワード :
, ,
公共交通でクレジットカードのタッチ決済が進んでいるなか、デビットカードが「救世主」として期待されている。2015年にはビザデビットの発行銀行が10行だったが、2024年には41行に増加し、発行枚数も2500万枚を超えた。タッチ決済は地域住民の利便性を向上させ、相乗効果で公共交通に新しい決済手段が広がる可能性がある。

全国で進むタッチ決済

阪神電鉄のタッチ決済専用リーダー(画像:阪神電気鉄道)
阪神電鉄のタッチ決済専用リーダー(画像:阪神電気鉄道)

 年の瀬も近づき、全国の鉄道や路線バスでクレジットカードのタッチ決済対応が次々と進んでいる。

 まずは阪神電気鉄道(阪神電鉄)の取り組みを見てみよう。10月29日から、西代駅(神戸市)を除く各駅で、タッチ決済対応のカードや設定済みスマホを使って、大人普通運賃での乗車が可能になった。

 阪神電鉄の対応ブランドはビザ、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、ディスカバー、ユニオンペイで、マスターカードは今後追加予定だ。ただし、子ども運賃や障がい者割引には対応していない。また、大阪難波駅以外の駅では、自動改札機がタッチ決済に対応しておらず、専用読み取り機を通した後、係員が自動改札機を開ける仕組みになっている。2025年春には、自動改札機もタッチ決済に対応する予定だ。

 首都圏では、2024年内にみなとみらい線でタッチ決済の実証実験が始まる予定だ。具体的な開始時期はまだ不明だが、利用可能ブランドは阪神電鉄と同じくビザ、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、ディスカバー、ユニオンペイで、マスターカードも順次追加予定となっている。

 また、宮城県仙台市では、10月1日から観光シティループバス「るーぷる仙台」でのタッチ決済実証実験がスタートした。対応ブランドはやはりビザ、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、ディスカバー、ユニオンペイで、マスターカードは今後追加予定だ。

 実は、これら3事業者の実証実験は、三井住友カードの公共交通向けソリューション「ステラトランジット」を活用しており、対応ブランドが同じなのはこのためだ。

全てのコメントを見る