数億の税金を溶かした悲惨な過去! 南アルプスIC近くオープン「コストコ」は本当に成功するのか
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- 道路, 施設, 中部横断自動車道, インターチェンジ, 南アルプスインターチェンジ
2025年4月、南アルプスIC近くにコストコ南アルプス倉庫店がオープンする。総面積12haのfumotto南アルプスには、地域交流エリアや大型商業エリアが整備されている。中部横断道の開通によってアクセスが改善されたが、このプロジェクトは過去の失敗を背負っている。南アルプス完熟農園の閉園から得た教訓を生かし、期待と不安が交錯するなかで、成功が求められている。
かつて存在した「観光型農場」の末路
かつて、ここには「南アルプス完熟農園」という施設が存在していた。開業は2015年6月で、南アルプス市の前市長、中込博文氏が推進したプロジェクトだ。いわゆる
「観光型農場」
で、果樹園や野菜畑、バイキングレストラン、物産販売所が一体となった施設だった。
南アルプス完熟農園を運営する株主会社、南アルプスプロデュースは南アルプス市が出資した企業であり、市はこの農園の整備に8億円もの費用を投入している。つまり、南アルプス完熟農園は実質的に市営の施設だったのだ。
このように大きな期待がかけられていたにもかかわらず、南アルプス完熟農園は開業からわずか7か月後の2016年1月に閉園してしまった。閉園の理由はさまざまで、
・準備不足
・物産販売所のオリジナル商品の不足
・天候不順による商品供給の困難
などが挙げられる。しかし、特に注目すべきは、南アルプス完熟農園の開業直前に発生した
「政変」
だ。2015年4月の南アルプス市長選挙で、当時の現職中込氏が新人の金丸一元氏に破れたことが影響したのだ。