インターチェンジの「名称変更」は意外に少ない? でも、自治体予算を使ってまで行われるのはなぜか
IC名の変更は自治体が要望した場合、名称変更に必要な経費は市が負担する。負担金はかなり高額だが、市側はなぜ名称変更を行ったのだろうか。
前例の少ない名称変更

高速道路のインターチェンジ(IC)の名称変更はかなり珍しく、前例が少ない。高速道路を保有する日本高速道路保有・債務返済機構(横浜市)によると、同機構が発足した2005(平成17)年以降、自治体の要望でICの名称が変更された例は全国で三つしかないといわれている。
その三つとは、
2007年:阪和自動車道「吉備IC」から「有田IC」へ
2007年:阪和自動車道「吉備南IC」から「有田南IC」へ
2012年:長野自動車道「豊科IC」から「安曇野IC」へ
である。
ただ同機構が発足する以前、横浜ICが1997年に「横浜町田IC」へ変更された例もある。同インターは1998年にできた「横浜青葉IC」との混同を防ぐために改名。神奈川県横浜市と東京都町田市の境目にあることから、異なる県都の地名が並列された珍しいICとしても知られている。
IC名の変更は自治体が要望した場合、名称変更に必要な経費は市が負担する。実際に豊科ICから安曇野ICへと名称を変更したケースでは、
「約2億800万円」
の経費(一般財源)が必要となった。負担金はかなり高額だが、市側はなぜ名称変更を行ったのだろうか。その理由と効果を、解説する。