もう“負の遺産”とは呼ばせない! JR難波駅直結「大阪シティエアターミナル」 なにわ筋線開通で大化けするかもしれない

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経営破たんして大阪市の“負の遺産”と呼ばれていたミナミの大阪シティエアターミナルが、大きく変わる可能性が出てきた。それは、2031年ににわ筋線が開業するからだ。

国際化の夢、空振りの現実

バスターミナルに発着する関西空港行きのリムジンバス(画像:高田泰)
バスターミナルに発着する関西空港行きのリムジンバス(画像:高田泰)

 OCATの歴史は挫折の連続だった。湊町地区の再開発は1994(平成6)年の関西空港開港を受け、JR難波駅を地下化した際に実施された。これに先立ち、名称も湊町駅からJR難波駅に改められている。

 OCATが目指したのは、空の新時代を迎えた大阪の新しいシンボル。1階には日本だけでなく、海外の航空会社も含めた12社のチェックインカウンターが並び、関西空港と伊丹空港の搭乗手続きができた。

 JR難波駅からは関空快速が発着する。荷物を預ければ手ぶらで海外へ。当時のパンフレットには

「大阪がさらなる国際化へ旅立つ出発駅」

の文字が躍る。館内には旅の総合情報館など搭乗客向けの施設もあった。

 しかし、事は思惑通りに運ばなかった。関空快速は南海電鉄の関空特急に押され、当初予測の乗客を集められない。バブル崩壊後の景気低迷が長引き、商業施設の売り上げも低調に推移したまま。湊町開発センターは開業以来、赤字が続き、立て直しに奔走していた。

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