鉄道がなくなった北海道「留萌市」 路線廃止から見える観光再生の可能性とは? 希望はまだあるのか?【連載】移動と文化の交差点(7)
JR廃線後の留萌市は人口が1967年から57%減少し、厳しい状況にあるが、希望は残っている。音楽や書店再生の取り組みが今後の展望に。過去の映画『駅 STATION』が映す廃線時代の面影と現在の変化に注目。
書店復活と音楽人
2010年、最盛期には5軒あった書店がこの街から消えた。翌年春、三省堂書店札幌支店が新学期を迎えた児童向けに本の出張販売を行ったのを機に、本好きの主婦たちが「三省堂書店を留萌に呼び隊」を結成し、署名活動を開始した。
当初、三省堂書店は留萌への出店に難色を示したが、北海道庁の後押しもあり、2011年、郊外のイオンモール内に10万冊の品ぞろえを誇る「留萌ブックセンターby三省堂書店」が、人口30万人以上の都市にしか出店しないという同社の原則を破ってオープンした。
街から本屋が一度消えた一方で、CDショップは健在だ。吉崎レコード楽器店は市街地の錦町にある。ちなみに。留萌周辺は
・佐藤勝(映画音楽の巨匠)
・宮川泰(作曲家。和製ポップミュージックの草分け的存在のひとり)
・池田ダン(バンドマスター。音楽番組「夜のヒットスタジオ」などで活躍)
・森田公一(作曲家。1969年“森田公一とトップギャラン”でデビュー)
・あがた森魚(フォークシンガー)
・細坪基佳(フォークデュオ「ふきのとう」のメンバー。隣接する沼田町出身)
・吉村秀樹、射守矢雄、小松正宏(ロックバンド「ブラッドサースティ・ブッチャーズ」のメンバー)
・掟ポルシェ(ニューウエーブバンド「ロマンポルシェ」のメンバー)
・上原子友康(ロックバンド「怒髪天」のメンバー)
など、知る人ぞ知る音楽人の出身地である。
ただ、音楽関係者に限らず、人口が減少すると「才能」が生まれる可能性も必然的に低くなるのが現実だ。